先日、防災管理点検で、スプリンクラー設備が設置された建物を確認していたときのことです。
更衣室へ入ると、ロッカーの上に段ボール箱や私物が積み上げられていました。
そして、その真上にはスプリンクラーヘッド。
思わず足を止めました。
「もし、この場所で火災が発生したら…。」
スプリンクラーは水をまくだけの設備ではありません。
スプリンクラー設備は、火災による熱を感知すると自動的に作動し、火災の拡大を防ぐ重要な消防用設備です。
しかし、その性能は周囲に障害物がないことが前提となっています。
ヘッドの近くに荷物があると、水が遮られ、本来届くべき範囲まで散水できません。
その結果、初期消火が遅れ、火災が拡大するおそれがあります。

物を置いてはいけない範囲があります
スプリンクラーヘッドの周囲には、物品を置いてはいけない範囲があります。
✅ ヘッドの周囲30cm以内(半径)
✅ ヘッドの下方45cm以内
この空間を確保することで、スプリンクラーは設計どおりの性能を発揮できます。
「少しぐらい」が一番危ない!
「ここしか置く場所がない。」
「少しの間だけ。」
「今まで問題なかった。」
現場では、このような声を耳にすることがあります。
しかし、火災は「今まで起きなかった」ではなく、「起きたとき」に備えるものです。
その”少し”が、人命や財産を守る設備の性能を奪ってしまうかもしれません。
設置しただけでは、安全にはなりません。
消防用設備は、設置しただけで安全になるわけではありません。
日頃から正しく維持管理され、いつでも本来の性能を発揮できる状態にあることが重要です。
だからこそ、防火管理や日常点検が欠かせません。
一度見上げてみてください。
皆さまの職場や施設では、こんな場所はありませんか?
・ロッカーの上
・倉庫の棚の上
・バックヤード
・書庫や物置
何気なく置かれた荷物が、スプリンクラーの働きを妨げているかもしれません。
今日一度、スプリンクラーヘッドの周囲を見上げて確認してみてください。
その小さな確認が、いざという時に人命を守ることにつながります。
