「うちも指摘されるのでは…..」
立入検査の前になると、
「どんなことを見られるのですか?」
「よくある指摘はありますか?」
というご相談をよくいただきます。
私は消防士として数多くの立入検査を担当してきました。
その経験から感じるのは、
重大な設備不良よりも、日頃の管理で防げる指摘の方が圧倒的に多いということです。
今回は、立入検査でよく見られる10項目をご紹介します。

①消火器の期限切れ
消火器は、設置されていても点検や更新時期が過ぎていることがあります。
(一般的に、製造後10年を過ぎると、容器の耐圧試験を受ける必要があります。この試験は、割と高額と手間がかかります。新しく購入して入れ替えるほうが安くなるため、この方法をおすすめしています。)
②消火器の前に物が置かれている。
いざという時に取り出せなければ意味がありません。
荷物や備品で隠れていないか確認しましょう。
(消火器ばかりでなく、屋内消火栓ボックスの前に物を置かれているケースも散見されます。)
③誘導灯の不点灯
ランプ切れや故障により誘導灯が不点灯となっているケースがあります。
現在の主流であるLEDの誘導灯もランプ切れを起こします。誘導灯下の部分をのぞいてみて、赤いランプが点滅していたらもう「すぐ切れるかもしれません!」という合図ですので確認してみましょう。
④避難経路に荷物が置かれている。
廊下や階段に荷物や物を置くことは、避難障害となります。特に、誘導灯に導かれる経路は避難路として確保する必要があります。
⑤防火戸の前に障害物がある。
防火戸は火や煙を防ぐ重要な設備です。
開閉を妨げる物がないか確認しましょう。
特に自動火災報知設備に連動して閉鎖する防火戸の周りに物を置かれていると、いざという時に閉鎖不良を起こして危険です。また、常時閉鎖状態の防火戸を開け閉めに手間だからと言って、ストッパーで開けている場合なども指摘されます。
⑥消防計画の見直し不足
前任者が作成したままになっているケースも少なくありません。また、何年も前に作ったものは、退職したり異動したりで現状と合っていない場合が散見されます。
施設の現状や実態に合わせて、適宜見直す必要があります。
⑦避難訓練の未実施・記録不足
それぞれの施設は、消防計画に記載された回数の消防訓練を実施する必要があります。また、実施しても記録として保存していないと、立ち入り検査時に指摘されることがあります。
※防火管理者の必要でない施設は、法令上、消防訓練の義務はありません。ただし、火災時の安全を確保するためには、施設の管理者は、訓練の実施が求められているのは言うまでもありません。
⑧消防設備点検の未実施
法令上、消火器や自動火災報知設備などの消防用設備が設置されている施設は、年2回(機器点検・総合点検)の実施が求められています。
また、不特定多数の人が集まる施設(飲食店、デパート、病院などなど)は、設備点検を実施後、1年に1回、消防署へ報告義務があります。
⑨防火管理者の未選任・変更漏れ
防火管理者が必要な施設で、選任されていない。
あるいは、選任されていても、退職や異動などでその人が管理できない場合なども指摘されます。
⑩建物の用途変更や改装
事務所が飲食店や福祉施設になるなど、用途が変わると必要な消防設備も変わることがあります。
また、改装により部屋の間仕切りなどが変更になったりすると、消防用設備の変更が必要になる場合もあります。
この場合は、「防火対象物使用開始届」の再提出が必要となります。
元消防士として感じること
これらの指摘事項の多くは、
高額な工事が必要になるものではありません。
日頃から少し意識するだけで防げる内容がほとんどです。
一方で、放置してしまうと、
立入検査後に改善計画書の提出や追加工事が必要になることもあります。
立ち入り検査前のセルフチェックがおすすめ
立入検査が決まってから慌てるのではなく、
日頃から、
- 消防設備
- 避難経路
- 防火管理
を確認しておくことが大切です。
まとめ
消防署の立入検査で指摘される内容は、特別なものではありません。
「分からなかった」
「前任者から聞いていなかった」
そんな理由で指摘されることも少なくありません。
だからこそ、
立入検査は「違反を探す場」ではなく、
建物をより安全にする機会と考えていただきたいと思います。
Safety Design(セーフティデザイン)防災行政書士事務所では、元消防士・消防設備士・行政書士として、立入検査前のセルフチェックや改善のご相談にも対応しています。
「立入検査を控えていて心配」
「一度チェックしてほしい」
そのような場合は、お気軽にご相談ください。
このシリーズのまとめ
ここまで4回にわたり、
- 立入検査では何を確認される?
- 消防法違反になるとどうなる?
- 消防設備の改修費用はどれくらい?
- 立入検査でよくある指摘事項10選
をご紹介してきました。
消防法は、「違反を取り締まるため」のものではなく、建物を利用する方の命を守るためのルールです。
元消防士として、現場を知る消防設備士として、そして行政手続きをサポートする行政書士として、Safety Design(セーフティデザイン)防災行政書士事務所は消防行政と現場の橋渡し役を目指しています。
消防署からの指摘事項でお困りの方、立入検査に不安をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。
また、施設の総合的なサポートとして安全な施設の運営に関してのコンサルティングも請け負っていますので、ご相談ください。
