台風7号と台風8号が発生して、日本への接近が警戒される今日この頃です。
台風が接近すると、多くの人は飛散防止や備蓄品の確認に目が向きます。
しかし、防火管理者の役割はそれだけではありません。
強風や大雨による被害だけでなく、停電や設備停止によって火災リスクが高まることもあります。
実際に過去の災害では、停電や復電をきっかけとした火災や、消防用設備が十分に機能しない事例も発生しています。消防用設備は非常電源を備えていますが、長時間の停電では機能維持に支障が出る可能性があります。
今回は、防火管理者が台風前日に確認しておきたい5つのポイントをご紹介します。

消防用設備等の異常表示がないか確認する
まず確認したいのが消防用設備等です。
- 自動火災報知設備
- 非常放送設備
- 誘導灯
- 屋内消火栓設備
- スプリンクラー設備
受信機に異常表示が出ていないか確認しましょう。台風による停電や漏電が発生すると、設備トラブルが重なる場合があります。
「もともと故障していた」では、いざという時に人命を守れません。
非常電源・非常用発電機の状況を確認する
停電は台風時に最も発生しやすいトラブルの一つです。
消防用設備や避難設備の多くは非常電源によって一定時間機能を維持しますが、その稼働時間には限界があります。
確認したい項目は、
- 発電機の燃料残量
- 蓄電池の状態
- 試験運転の実施状況
- 運転手順の確認
です。
「発電機があるから大丈夫」ではなく、「本当に動くのか」が重要です。
避難経路と避難場所を再確認する
火災訓練では避難経路を確認していますが、台風時には事情が変わります。
例えば、
- 出入口前が冠水する
- 強風で避難が危険になる
- 飛来物が通路を塞ぐ
といったことが考えられます。
普段の避難経路が使えなくなった場合の代替ルートを確認しておきましょう。
また、屋外避難だけでなく、建物内の安全な場所へ移動する「屋内退避」「垂直避難」の考え方も重要です。
屋外の危険物を点検する
台風時は火災だけでなく飛来物事故にも注意が必要です。
施設周辺の
- 看板
- のぼり旗
- プランター
- 清掃用具
- ごみ箱
などを確認しましょう。
普段は問題なくても、強風時には人や建物に被害を与える危険があります。
防火管理者は建物内部だけでなく、施設全体の安全確保という視点を持つことが重要です。
職員との連絡体制を確認する
災害時は設備よりも「人」が最後の安全を支えます。
そのため、
- 緊急連絡網
- グループLINE等の連絡手段
- 出勤判断基準
- 避難判断基準
を事前に共有しておきましょう。
消防庁も、大規模停電などで消防用設備が十分に機能しない場合には、巡回警戒や避難誘導体制の強化を求めています。
まとめ
防火管理者の仕事は「火災への備え」だけではありません。
台風による停電、設備停止、避難経路の変化など、複数のリスクを想定しておく必要があります。
そして何より大切なのは、自分の施設をよく知ることです。
マニュアルに書かれていない状況が発生した時、最後に頼りになるのは現場を理解している人の判断です。
台風が接近する今だからこそ、施設を見て歩き、「本当に安全か?」を確認してみてはいかがでしょうか。
