重大違反と指摘された共同住宅の実例
「重大違反」と書かれた立入検査結果通知書
ある共同住宅のオーナー様から、ご相談をいただきました。
消防署の立入検査で、
「自動火災報知設備 一部未設置(重大違反)」
と指摘されてしまったとのことです。
通知書には、
「受信機を設置してください」
と書かれていました。
オーナー様は、
「今まで何も言われなかったのに、なぜ今になって重大違反なのですか?」
と大変不安なご様子でした。
そこで、現地調査を行うことになりました。

現場を確認すると違和感がありました
現地を確認すると、どこを探しても自動火災報知設備の受信機はありません。でも、発信機は建物の
1階と2階にあります。
建物全体を見ていて
「何かおかしい。」
と感じました。
オーナー様にお話を伺うと、約5年前、隣接建物からの火災により共同住宅の約3分の1が延焼したそうです。
その後、焼損した部分は解体され、残った約3分の2を修繕して、現在も共同住宅として使用しているとのことでした。
受信機は焼失した部分に設置されていた可能性がありました
詳しく調査すると、
自動火災報知設備の受信機は、延焼して解体された部分に設置されていた可能性が高いことが分かりました。
つまり、
火災後の復旧工事で建物は修繕されましたが、
消防設備全体の見直しや再整備が十分に行われないまま、現在まで使用されていた可能性が考えられました。
その結果、立入検査で重大違反として指摘されたのです。
建物を変えれば、消防設備にも影響します
この事例でお伝えしたいのは、
「重大違反だった」
ということではありません。
建物を
- 解体する
- 増築する
- 改修する
- 模様替えをする
- 用途を変更する
このような工事を行うと、消防設備にも影響することがあります。
建物だけを直せば終わりではありません。
消防法に適合しているかどうかも確認する必要があります。
元消防士としてお伝えしたいこと
私は消防士として立入検査を担当し、現在は消防設備士・行政書士として建物の安全管理に携わっています。
実際の現場では、
「工事は終わったけれど、消防設備が以前のままだった。」
というケースは決して珍しくありません。
建物の工事を計画される際は、
工事が終わってからではなく、
工事を始める前に消防設備への影響を確認することが大切です。
まとめ
建物の解体や改修、用途変更は、消防設備にも大きく影響します。
「建物だけの工事だから。」
と思っていても、
後になって消防設備の追加工事や立入検査での指摘につながることがあります。
だからこそ、
工事を計画した段階で、
消防設備士や行政書士などの専門家へ相談することをおすすめします。
少し早めの確認が、
時間や費用、そして不要なトラブルを防ぐことにつながります。
建物の改修や用途変更をご検討中の方へ
Safety Design(セーフティデザイン防災行政書士事務所では、元消防士・消防設備士・行政書士として、建物の改修や用途変更に伴う消防法・建築基準法の確認、消防設備の相談、消防署との協議まで一貫してサポートしています。
