消防職員として勤務していると、一度は考えるのではないでしょうか。
「定年後、自分は何をするのだろうか。」
私自身も、定年が近づくにつれて真剣に悩むようになりました。
私が所属していた組織では、退職後は再任用として職場に残ることが一般的でした。もちろん、その選択を否定するつもりはありません。しかし、私自身は再任用という働き方にあまり魅力を感じていませんでした。
現役時代は厳格だった先輩が、退職した途端にどこか緊張感を失ったように見え、後輩職員が複雑な表情を浮かべる場面を目にしたこともありました。
私は、せっかく新たな人生が始まるのであれば、自分自身の力で新しい道を切り拓いてみたいと思ったのです。
そんな時に目を向けたのが、消防設備士資格でした。
当時すでに乙種第6類と第7類は取得していましたが、甲種資格は一つも持っていませんでした。

1年間で甲種をすべて取得するという目標
そこで私は、
「1年間で甲種特類から第5類まで、6種類すべて取得する」
という目標を立てました。
大阪府では年2回、奈良県では年3回、滋賀県では年2回試験が実施されています。特に滋賀県では連続した日程で異なる類を受験できることもあり、計画的に受験すれば十分達成可能だと考えました。
しかし、問題は勉強時間でした。
私はお酒が好きです。
夜にお酒を飲むと勉強する気がなくなるタイプでした。
そこで活用したのが「朝活」です。
もともと朝は得意だったため、毎朝4時に起床し、1時間半から2時間ほど勉強を続けました。
もちろん、気が乗らない日もありました。
投げ出したくなる日もありました。
それでも、毎日少しずつ積み重ねました。
消防設備士試験を目指す方に私がお勧めしたいのは、
「続けて受験すること」
です。
消防関係法令、電気基礎、物理など、多くの共通科目があります。
一つの試験で学んだ知識が次の試験にも活かされるため、忘れないうちに次を受験することで学習効率が大きく向上します。
私自身も、後半になると共通科目の勉強時間はほとんど必要なくなり、それぞれの類に特有の内容に集中できるようになりました。
その結果、
1年間で甲種特類から第5類までの取得
という目標を達成することができました。
そして、思いがけない出来事が起こります。
受験勉強中に参考にしていた消防設備関係のWebサイトがありました。
その運営会社が、大阪市内の防災会社だったのです。
退職を翌年3月末に控えた12月、私は思い切って履歴書を送りました。
すると面接の機会をいただき、退職後その会社で働くことになりました。
こうして私の消防設備士としての人生が始まったのです。
そして現在。
私は消防設備士としての仕事に加え、行政書士としても活動しています。
消防・防災に特化した行政書士として、大阪ではまだ珍しい、
「行政書士 × 消防設備士」
という形で業務を行っています。
消防職員として培った経験は、決して退職とともに終わるものではありません。
その経験は、民間企業や地域社会の中で大きな価値を持っています。
消防設備士は、その経験を活かす有力な選択肢の一つだと私は感じています。
次回は、私が行政書士を目指したきっかけについてお話ししたいと思います。
