前の店舗も営業していたから、このまま使えると思っていました。」
これは、実際にご相談いただいた方がおっしゃった言葉です。
中古店舗を借りる場合、「以前も同じような業種だった」「消防設備も付いているから大丈夫だろう」と考えて契約される方は少なくありません。
しかし、営業を開始した後の消防署による立入検査で、
「この建物には避難器具が必要です。」
と指摘されるケースがあります。
今回は、実際にあった事例をもとに、なぜそのようなことが起こるのか、契約前に確認しておきたいポイントについてご紹介します。
※この記事について
この記事は、実際の相談事例をもとに構成しています。
個人や事業者が特定されないよう、建物の用途や規模などは一部変更・編集しています。

現場であった事例
今回ご紹介するのは、中古店舗を借りて飲食店を開業された事業者様の事例です。
店舗は以前から営業していた建物で、消防設備も設置されていました。
内装工事も順調に進み、営業を開始した後、消防署による立入検査が実施されました。
その際、担当者から説明を受けたのが、
「この建物には避難器具が必要になります。」
という内容でした。
「前のお店では何も言われていなかったのに、なぜ?」
依頼者様は大変驚かれていました。
なぜ立入検査で指摘されたのか
今回の建物は、以前から店舗として使用されていました。
そのため、
「前の店舗が営業できていたのだから問題ない。」
と考えてしまうのも無理はありません。
しかし、消防法では、
- 建物の構造
- 階数
- 収容人員
- 用途
- 避難経路
などによって必要となる消防設備が決まります。
営業内容やレイアウトの変更、収容人員の増加などにより、以前の店舗とは条件が変わることがあります。
その結果、立入検査で初めて
「この建物には避難器具が必要です。」
と指摘されることになりました。
「前のお店は大丈夫だった」は理由になりません
現場では、
「前の店では何も言われなかったみたいです。」
という声をよく耳にします。
しかし、消防法は
「以前どうだったか」
ではなく、
「現在の建物が法令に適合しているか」
で判断されます。
つまり、
以前問題がなかったとしても、
現在の使用状況によっては消防設備の追加が必要になることがあります。
指摘を受けるとどうなるのか
立入検査で不足が判明すると、
状況に応じて、
- 避難器具の設置
- 消防設備の改修
- 消防署への報告
- 改善計画の提出
などが求められることがあります。
もちろん、
工事費用も新たに必要になります。
店舗のオープン後であれば、
営業への影響が出ることもあります。
「あとから数十万円の追加工事が必要だった。」
というケースも決して珍しくありません。
元消防士としてお伝えしたいこと
消防署で数多くの立入検査に立ち会ってきましたが、
こうしたケースで感じるのは、
事業者が悪いわけではない
ということです。
ほとんどの方は、
「以前から店舗だったから大丈夫。」
「設備も付いているから問題ない。」
と考えています。
当然のことです。
しかし、
建物の消防法上の適合性は、
専門的な知識がなければ判断することは困難です。
だからこそ、
契約前や改装工事前の段階で確認しておくことが重要なのです。
まとめ
中古店舗は、新築に比べて初期費用を抑えられるという大きなメリットがあります。
一方で、
消防設備については、
「以前のままだから安心」
とは限りません。
立入検査で初めて不足が判明すると、
追加工事や営業への影響など、思わぬ負担につながることがあります。
契約後に慌てないためにも、
物件を契約する前に消防法上の確認を行うことが大切です。
このようなお悩みはご相談ください
- 中古店舗を契約する予定
- 消防設備がこのままでよいか確認したい
- 立入検査で改善を求められた
- 追加工事が必要と言われた
- 何から対応すればよいか分からない
元消防士・消防設備士・行政書士として、現場経験を活かしながら状況に応じたサポートを行っています。
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