「特定防火対象物って何ですか?」
防火管理者について調べていると、
「特定防火対象物」
という言葉を目にすることがあります。
「普通の建物と何が違うの?」
「うちの建物はどちらになるの?」
というご質問をいただくことも少なくありません。
実は、この区分は、防火管理者の選任基準や消防用設備の設置基準など、多くの消防法上の制度に関わる重要な考え方です。
今回は、その違いをわかりやすく解説します。

特定防火対象物とは?
特定防火対象物とは、
不特定多数の人が利用する建物や、
避難に支援が必要な方が利用する建物をいいます。
火災が発生した場合、自力で避難することが難しかったり、建物に慣れていない利用者が多かったりするため、より高い防火安全性が求められます。
代表的な例として、
- 飲食店
- ホテル・旅館
- 病院
- 診療所
- 社会福祉施設
- 保育所
- 百貨店
- 劇場
- カラオケ店
などがあります。
非特定防火対象物とは?
一方、非特定防火対象物は、
主に利用者が限定されている建物です。
建物の構造や避難経路を利用者自身がある程度把握していることが前提となっています。
代表的な例は、
- 事務所
- 工場
- 倉庫
- 共同住宅
- 学校(用途による)
などです。
なぜ区分されているのでしょうか?
この区分は、
建物の「危険性」ではなく、
火災時の避難の難しさを考えて設けられています。
例えば、
初めて利用する飲食店では、
非常口の位置を把握していないお客様が多くいます。
また、福祉施設では、
職員による避難支援が必要な利用者も少なくありません。
このような建物では、より厳しい防火管理や消防設備が求められます。
防火管理者の選任基準にも関係します。
特定防火対象物では、
収容人員30人以上
になると、防火管理者の選任が必要となる場合があります。
一方、
非特定防火対象物では、
収容人員50人以上
が基準となります。
この違いは、特定防火対象物の方が火災時のリスクが高いと考えられているためです。
建物の用途が変わると区分も変わることがあります。
例えば、
これまで事務所だった建物に、
飲食店や福祉施設が入居した場合、
消防法上の用途が変わり、
特定防火対象物として扱われることがあります。
その結果、
防火管理者の選任や消防設備の追加設置などが必要になるケースもあります。
私は、こうした用途変更に伴うご相談を数多く受けてきました。
「建物は変えていないから大丈夫」
と思っていても、
「使い方」が変わることで消防法上の扱いも変わることがあります。
元消防士としてお伝えしたいこと
消防署の立入検査では、
「用途変更に伴う消防法上の手続きがされていない」
という指摘は珍しくありません。
建物そのものではなく、
誰が、どのように利用する建物なのか。
消防法は、その点をとても重視しています。
開業やテナントの入れ替え、事業内容の変更を予定されている場合は、早めに確認することをおすすめします。
まとめ
特定防火対象物と非特定防火対象物の違いは、
建物の種類ではなく、
利用者の特性や火災時の避難のしやすさにあります。
この区分によって、
防火管理者の選任基準や消防設備の設置基準なども変わります。
「うちの建物はどちらになるのだろう?」
と迷われた場合は、建物の用途や利用状況を踏まえて確認することが大切です。
Safety Design(セーフティデザイン)防災行政書士事務所では、元消防士・消防設備士・行政書士として、建物の用途確認から防火管理体制の整備、消防法に関するご相談まで総合的にサポートしています。
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