消防職員のセカンドステージ② ~なぜ私は行政書士登録をしたのか~

私は消防設備士として長年、さまざまな施設の消防設備工事や消防手続きに携わってきました。

その中で、ある疑問を持つようになりました。

「なぜ、ここで業務が分かれてしまうのだろう。」

例えば、以前多くの相談があった民泊の開業案件です。

民泊を開業するためには、消防法令への適合が必要です。

まず、消防設備士が建物の状況を確認し、必要な消防用設備を検討します。

そして消防署と協議を行い、消防用設備の設計・施工を実施します。

工事完了後は消防検査を受け、最終的に「消防法令適合通知書」の交付を受けます。

ここまでが消防設備士の業務です。

その後、行政書士がその通知書などを添付して保健所等へ申請を行い、民泊開業の手続きを進めることになります。

福祉施設や介護施設の開設でも同様です。

消防設備士が消防設備の設計・施工を行い、消防検査を受けて消防用設備等検査済証を取得する。

そして行政書士が施設開設に必要な各種申請を行う。

それぞれの専門家が役割を果たす、いわば「分業」の形です。

もちろん分業には大切な意味があります。

しかし現場では、

「消防設備の相談をしたい」
「消防署との協議について聞きたい」
「施設開設の手続きも相談したい」

というように、利用者から見れば一つの案件であることが少なくありません。

そのたびに、

消防設備士へ相談し、
行政書士へ相談し、
場合によっては別の専門家へ相談する。

こうした流れを見ながら、私は「もっと一体的に支援できないだろうか」と考えるようになりました。

さらに、消防庁通知などでも示されているように、消防関係手続きと行政書士法との関係が整理される中で、適切な資格に基づく業務遂行の重要性も強く感じていました。

それならば、自分自身が行政書士資格を取得し登録すればどうだろう。

消防設備の計画・設計・設置相談から消防手続き、各種許認可申請まで、一つの窓口で支援できるのではないか。

そう考えたのです。

しかし、私が目指したのは単なる「申請代行」ではありません。

元消防職員としての経験。

消防設備士としての知識と実務経験。

救急救命士として培った安全への視点。

そして行政書士としての法的手続きの知識。

これらを活かして、

施設の安全な運営支援、
消防訓練の企画・実施、
職員への防災教育、
防火管理体制の構築、

といった部分まで含めて支援したいと考えています。

申請を通すことがゴールではありません。

施設利用者や従業員の命と安全を守ることが本当の目的です。

だから私は、消防設備士としての経験の先に行政書士という資格を選びました。

そして今、「安全を設計する」という理念のもと、防災専門の行政書士として新たなステージに立っています。

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