防火管理者制度はもっと重要視されるべきではないのか
防火管理者制度はもっと重視されるべきではないか
消防法の歴史を振り返ると、多くの制度は重大火災の教訓から生まれています。
悲惨な火災が発生する。
法令が改正される。
設備基準が強化される。
この繰り返しによって、現在の消防法体系は築かれてきました。
もちろん、消防設備の整備は非常に重要です。
スプリンクラー、自動火災報知設備、防火戸、排煙設備、誘導灯。
現代の建築物には、数多くの安全設備が設置されています。
しかし、ここで一つ考えたいことがあります。
設備を増やせば、本当に安全になるのでしょうか。
どれほど優れた設備が設置されていても、それを維持管理し、適切に運用する人が機能しなければ、安全は確保できません。
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名ばかり防火管理者という現実
防火管理者が誰なのか、従業員が知らない。
消防計画を読んだことがない。
避難訓練が形式的になっている。
これは決して珍しい話ではありません。
防火管理者制度の本質は、資格証を取得することではありません。
建物の火災リスクを把握し、防火管理体制を整え、安全管理を継続することにあります。
しかし現実には、防火管理者が書類上の役職になってしまっているケースもあります。
これから求められるのは「人が機能する仕組み」
これ以上の設備追加は、社会的コストも大きくなります。
すべての建物に最新設備を求めれば、多額の改修費用を事業者や利用者が負担することになります。
もちろん、必要な設備は整備しなければなりません。
しかし、設備を増やす議論だけでなく、すでにある設備を活かし、人が機能する仕組みを作ることも同じくらい重要ではないでしょうか。
消防計画が書棚に眠ったままになっていないか。
防火管理者が名義だけの存在になっていないか。
従業員が自分の役割を理解しているか。
避難訓練は形だけになっていないか。
本当に見直すべきなのは、こうした部分なのかもしれません。
防火管理者制度は「人」着目した制度
防火管理者制度は、消防法の中でも数少ない「人」に着目した制度です。
だからこそ、もっと重視されるべきだと私は考えています。
消防設備だけでは人は守れません。
火災を早く知らせる設備があっても、誰が通報するのか。
初期消火設備があっても、誰が使うのか。
避難経路が確保されていても、誰が利用者を誘導するのか。
最後に人を守るのは、人の判断と行動です。
まとめ
私は、消防法の規制を緩和すべきだと言いたいわけではありません。
多くの犠牲者という教訓によって現在の消防法体系が築かれてきたことを知っているからこそ、その重みを強く感じています。
しかし、何か事故が起きるたびに設備を増やし、基準を強化するだけで、本当に安全性を高め続けることができるのでしょうか。そろそろ設備規制強化は限界にきていると思っています。
これからの時代は、設備を増やすことだけではなく、今ある制度を本気で機能させることが必要だと思います。
防火管理者制度は、決して脇役ではありません。
建物の安全を支える最後の要は、設備ではなく「人」なのです。
